2012/06/16

肥料と野菜の味

今日は雨がしとしと
梅雨入りしたらしい
野菜はうれしそう
3月のアースデーマーケットで、浜松の種苗店・畑懐の方にルッコラの味くらべをさせてもらったことがある。片方は市販の有機栽培用の土、もう片方は畑懐さんオリジナルの完熟堆肥入の土で育ったもの。種は両者とも同じだ。前者はいやな苦味があったが、後者はゴマの香りがさわやかだった。

今日の写真に写っているレタス、窒素が多すぎると苦くなることがあるようだ。窒素は、野菜の成長に欠かせない養分で、窒素補給として鶏糞などをよく用いるが、やりすぎは健康への害になり、特に未熟肥料の場合は多くなりすぎる傾向があるときいたことがある。窒素が野菜に吸収される際、硝酸性窒素(または硝酸態窒素)と呼ばれる物質になっているが、ヨーロッパでは、これが野菜に含まれてよい上限値が定められている。硝酸性窒素と野菜の問題については、こちらのページが詳しい→ナチュラルハーモニー「枯れる野菜と腐る野菜―ほんものの野菜の見極め方(硝酸性窒素が多すぎると、葉の緑が濃くなるのだが、このページにあった、放牧された牛が濃い緑の牧草を食べないというエピソードはとても興味深がった)。

この畑では鶏糞などの動物性肥料は入れていない。動物性肥料は分解が済むまでに時間がかかるので、虫を呼び寄せる原因となる未熟肥料をやらないためでもあるが、鶏糞を出してくれた鶏がどんな育てられ方をしているかがわからないのも不安だった。飼料が無農薬の鶏ということは、市販品ではまずないと思う。運営会社で用意してくれていた米ぬかも農薬が心配だったが、自然栽培の米ぬかなど手に入る場所を知らず、とりあえず支給されたものを培養土といっしょに土と混ぜて発酵させた。なるべく完熟に近いようにと、3月の1カ月間ときどき切り返して発酵させた。そのあとは何もまいていない。肥料らしいものと言えば、伸びすぎた雑草や収穫した野菜で食べない部分を通路に細かく刻んで、畑に還す程度だ。

ここでとれる野菜の味は、畑懐さんオリジナルの完熟堆肥入りの土で育ったものと似た味がする。野草のような、野性的な味がするものもある。雑草も野菜も、慣行農法の畑と比べると、緑が淡い。虫の大量発生も起きていない。今のところ、土の状態は問題ないようだ。

左は他の方の区画(たぶん動物性も施肥)
右が我々の区画(米ぬかと培養土のみ)
雑草の育つスピードと色が全然違う
レタスをよく見るとバッタのこどもが

豆の上にラディッシュの花 
つるなしインゲン初収穫
種とり用の小松菜、少し黄色くなってきたかな?
種とりはもう少し先になりそう

ねこじゃらし
雑草もすっかり夏草に
雨で虫は少ないが、春菊の花を1匹だけモンシロチョウが舞っていた。ジャガイモにくっついていたニジュウヤホシテントウは、葉の陰で雨をしのいでいた。種用に残してある巨大な菜っ葉に大きなアオムシがいた。この畑のアオムシは不思議なもので、我々が食べないようなものにだけくっついている。とっておいてくれているのだろうか。