2012/04/03

何がいいのか悪いのか

  先日、風の強い日があった。昨日、農園に行くと、畑の上にかけていた藁がほとんど吹き飛ばされていた。まだ草の生えていない裸になった畑を見ると、芽が減っているように感じた。畑の周りに落ちた藁を見てみると、やはり抜けてしまった芽が混じっていた。
草が全く生えていないのは不自然だと考えて藁をかけていた。それに、何も生えていないところに出てきた芽が寒さに耐えられるか不安に思って藁をかけていたわけだが、藁を敷いて土の表面の温度を上げることで発芽しやすくなった、しかし、そうして出てきた芽は藁があるから出てきたわけで、その藁が急に全部飛ばされるとは思いもよらなかっただろう。もうだいぶ暖かくなってきたので温度変化には耐えられても、出たばかりのまだひ弱な芽は、藁に引っ張られて引き抜かれてしまった。
人間がよかれと思って、一つ手を加えると、それによって植物が育ちやすくなるように見える面もあれば、予期しなかった悪い面も現れる。何がいいのか悪いのかはわからない。もともと何もないところに、自分たちが種を選んで蒔いたわけだ。その時点で、人為が加わっている。その後、いろいろ手を加えるよりも、全く何もしないほうがいいのかもしれない。この「いい」「悪い」というのも、人間の都合だ。見た目に健康に育ったおいしい野菜がたくさんできれば人間にとっては「いい」と考えるわけだが、自然の目からすれば何がいいのか悪いのかわからない。
一見、不都合なことが起きてているように見えると、何か手を加えたくなる。しかしそこを我慢してなるべくじっと見届けたい。ジャガイモを植えたところに蟻の巣ができていたが、何もせず、観察することにした。