2012/05/27

今日の畑―粘土団子のその後(2)

今日の畑、北側の様子。

ルッコラの花が花ざかり。手前はジャガイモの花(たぶん、農林一号)。下葉に黒い斑点がついて、黄色くなっているのが心配。ほかの区画でも同じかもっとひどい状態が見られた。父に写真を見せると、確信は持てないが病気かもしれないから、葉っぱを取り除いてライターであぶっておいたほうが安心だろうと言われたが、全体的には元気そうに見え、悪くなったところは自然に落葉しているようだったので、もう少し様子を見てみることにした。

自ら通路に根を下ろした小松菜(4月16日の投稿に発芽したての頃の写真あり)は生命力がすさまじく、怪物みたいな大きさになっている。葉は小松菜というよりも、ブロッコリーかキャベツか、ケールのよう。花が咲いて鞘がふくらんでいて、種取りが楽しみだ。

じゃがいもから大根みたいな葉っぱが生えていると思いきや、根もとに巨大なラディッシュができていた。
根もとをたどってみると大きなラディッシュが。
ここには植えなかったはずだが、ほかのところに播いたときにこぼしたらしい。大きくなった葉は裏がとげとげで痛いくらいだった。きちんとまかずとも特大の成長で、この畑では定説が崩されてばかりだ。

緑肥用にまいたクローバー。薄桃色の花が珍しい。見たことのない蜂が飛んできていた。しっぽが小さく、目がくりくり大きくてかわいらしかった。この蜂は最近よくうちのベランダにも訪れる。

粘土団子のその後(2)。4月末に播いた粘土団子から、芽が続々と出ている。コールラビと空芯菜、金時人参は、あちこちで見かけた。豆はほぼ全部発芽しているようだ。もう少し成長しないと、どれが何なのか全然わからない。
7-8種類はあるように見える。この後、どうなるのだろうか。
淘汰されてしまうのか、それとも共存するのか。
なんとなく、共存するような気がしているが。 

真ん中に見えるV字の芽が空芯菜らしい。
奥にオカヒジキも成長している。

豆が株間2センチくらいで2本立っている。
さらにその間からコールラビや人参、菜っ葉類が。

粘土団子から出た豆。たぶん大豆の一種。

豆その2。

豆その2の根もと。フルーツトマトらしきものもある。
人参と大根もある。この距離だとどうやって育つのだろう…。

人参は普通に播くよりもずっと発芽率が良いようだった。3月に筋蒔きしたものよりも、団子のほうがいっぱい芽を出していた。こんなに芽を出すとは思わなかった。ハーブの種も何種類か入れてあったのだが、不思議なことに、この畑ではハーブがほとんど芽を出さない。


南東の畝にできた水菜。こんな巨大な水菜は店でも見たことがない。
この中に紫人参の葉ものぞいている。至近に育っていても、お互い負けることなく成長している。

てんとう虫は今日もたくさん見かけた。黒に2つの赤い星がついたのもいた。
そのほかにも、見たことのない虫がいっぱいいた。家に帰って「野菜の自然栽培入門」で調べてみたら、ナガメという虫と、ショウリョウバッタと、ササグモの卵、アオムシサムライコマユバチというアオムシの天敵の繭がいたことがわかった。ササグモはナガメを食べる。食べたり、食べられたり、生態系が確実にできてきている。虫たちの活動が盛んになってきて、賑わいが一層増している。賑やかな畑から静かな家に帰ったら、妙に寂しい気分になった。

2012/05/26

種ができてきた

一番大きく育った東京べか菜(おばけみたいに大きい)。種取り用に置いておいたら、鞘がふくらんできた。

初心者でも種取りができるのは、固定種・在来種だからこそ。ホームセンターなどで一般的に売られている種や苗はほぼすべてがF1(一代交配種)で、これを植えて種がとれたとしても、親と同じものはできない(というか、種ができればまだマシで、「雄性不稔」という技術が使われたF1品種は種がとれないし、EUの反対のおかげでまだ実用化されていないものの、「ターミネーター種子」という自殺する遺伝子技術さえモンサント社によって開発されている)。

F1と固定種・在来種の違いやF1の作られ方については、『タネが危ない』((野口勲著/日本経済新聞出版社)に詳しい。この本でF1の作られ方を知って、F1の野菜がこわくなった。人間に許された範囲を超えたことが、タネの世界で行われていると思った。

まさに一粒万倍

アップ
アブラナ科なので、水菜や小松菜ともしかしたら交雑しているかもしれない。売り物ではないので、そんな未知の野菜ができるのもおもしろい。


提携による新サービスとのことで、運営会社から大手種苗会社のカタログが送られてきた。こんなF1のタネばっかり広めて、と最初は憤ったが、中を見てみると、固定種もわずかではあるが載っていた。固定種とF1の区別はあいまいな表示で小さかったものの、業界も少しいい方向に変わってきているのかもしれないと希望をもった。

隠しているのは売る側だし、先にこういう状況を作ったのも売る側だが、買う側が不自然な野菜を求めないようになれば、種苗会社でもこんな恐ろしいことはしなくてもよくなる。自分も一消費者として、正しい情報を知り、正しい判断をしていきたいと思う。

2012/05/20

ほうれん草の根

 今日とれたほうれん草。今の時期はすぐに花芽ができるので、その前にと背が小さいままとったが、根の長さにびっくりした。太くて長い根っこをしっかりおろしていた。根も甘くておいしかった。
Posted by Picasa

2012/05/19

野菜の花

花は花、野菜は野菜だと思ってきた。野菜も花を咲かせたら、花として植えられているものに負けないくらいきれいだった。

ルッコラ

春菊

じゃがいも(キタアカリ?)

ちょっと変わり種。ほうれん草の花を見たのは初めて

水菜、小松菜、東京べか菜の黄色い花もきれいだ。今、畑は花ざかりだ。普通の畑では、種とりをしないので、畑を有効活用するために、花が咲いてしまったら機械でこっぱ微塵にして肥料にし、跡地に新たに野菜の植え付けている。近所でもブロッコリーとキャベツの花が無残な姿にされていた。種用に残しておけるのは、自給用の畑の特権だと思った。

2012/05/14

株間ゼロ

間引きするのが忍びなくて、株間を調整しなかったら、株間ゼロの菜っ葉があった。

小松菜と東京べか菜。
株間ゼロでもどちらも仲良く大きくなっている
この畑では定説が次々に覆されている。売るための野菜は工業製品みたいに規格が決まっていて、多様性が許されない。農家の人は、規格通りの野菜ができなければ、売り先がなく、食べていくことができないので、たいへんな苦労をされていると思う。自然に任せた場合の実験というのはなかなかできない。自給用の野菜ならば、失敗が許される。直感に基づいていろいろと実験ができて、しかも味と栄養はピカ一の野菜を味わえる。なんて贅沢なことだ。

じゃがいもの葉に見たことのない虫がじっとしていた。
テントウムシの幼虫らしい。
そばにあるナズナには好物のアブラムシ

粘土団子からたくさん発芽している。
生命あふれる瞬間を感じる写真

雑草と虫と野菜と

この貸し農園で雑草を生やしている畑は、今のところ、自分たちの区画だけだ。

野菜は整然と種類ごとに並んではおらず、いろんな菜っ葉が雑草もいっしょに混在している。虫よけネットもない。畑と言われて多くの人が思い浮かべる情景とは程遠い姿をしている。荒れ放題にも見えるかもしれない。

雑草に関してはさまざまな意見がある。一般的には、野菜にやるための栄養を奪ってしまう敵だと考えられていて、抜き取ることが推奨されている。

自然農法の本で、雑草は敵ではないという考え方に出会った。雑草は、根を張り巡らせることで土を耕している。野菜を食べるいわゆる「害虫」も、野菜だけを食べているわけではなく、雑草も食べる。雑草は、野菜に「害虫」が集中するのを防いでくれる。一生を終えると、土に還って養分となる。大雑把に言うと、こんな感じだと思う。母にこの話をすると不審がられた。おかしな思想に騙されているのではないかと心配された。

よく観察してみると、真実であることがすぐにわかってきた。雑草は、アスファルトの隙間やちょっと積もった土埃の上にも根を張ることから、わずかな養分で育つことは確かであり、それ以上の養分をとろうと土の中の養分を独り占めし、野菜の成長を阻害するとは考えにくいと思った。伸びすぎて日照を遮るのは困るが、そうでない限りは共存できるのではないかと思った。実際、雑草を抜かないでおいても、野菜はぐんぐん成長している。クモなどのいわゆる「益虫」の隠れ場にもなっていて、大きな食害は見られない。草の根でふかふかに耕されているためか、ミミズもよく現れる。

この写真の様子は、野菜に「害虫」が集中するのを防ぐ、というのを証明しているような場面だと思う。手前に写っているのが雑草のナズナで、後ろに写っているのが東京べか菜というアブラナ科の野菜だ。アブラムシはアブラナ科の野菜につくと聞く。ナズナにはびっしりアブラムシがくっついているが、野菜には皆無だ。











アブラムシを食べるという、てんとう虫の姿もよく見られる。オレンジ色の卵もよくイネ科の葉っぱの裏や野菜にくっついている。多い日で4-5匹は見かけている。







雑草を抜くと、土の中の小動物や微生物のすみかを荒らすことになり、生態系の微妙なバランスが崩れてしまう、というのも本で読んだ。区画と接する通路の雑草が抜かれていたことがあった。よく見てみると、そのすぐそばのホトケノザが黄色くなるなど、少し様子がおかしくなっていて、菌などのバランスが崩れてしまったのかもしれないと思った。雑草を抜くことは、メリットよりもデメリットのほうが大きいと実感した。

こんな小さな畑でも、生態系のバランスができつつある。最大限を食べてやろうと思うのではなく、そのなかの恵みをいただく、という考えを忘れないようにしたいと思う。

2012/05/08

初めての収穫

だいぶ暖かくなり、野菜たちの成長が急に速くなってきた。混み合っているところは間引きをするのが定説だが、この前の大風にも負けずに出てきた芽が愛おしく思えて、どれも間引きできずにいた。それに、山の草木や雑草は、株間など関係なしに自由に生えて、環境に合わないものは自然に淘汰される。畑でもそれは可能かもしれないと思って、自然に任せることにした。

間引きをしなくても、だいぶ大きくなった。今日は初めての収穫をした。花芽がついているものもあり、硬くなる前に菜の花としていただくことにした。ラディッシュもいつのまにか根が膨らんで顔をのぞかせてた。どれも虫の被害はほとんどない。ほかの畑と比べると、動物性の肥料を入れていないためか、成長はゆっくりだが、緑が淡くてやさしい感じがする。

今日の収穫。小松菜、フレンチラディッシュ、ルッコラ、東京べか菜、
水菜、小松菜、ほうれん草、レタス。かごいっぱいにとれてびっくりした。
春菊にはハモグリバエの跡らしきものが下葉のほうについていた。 

とれたての野菜は、青菜のもちもち薄焼きにして早速夕飯に。
レタスはたねの森のサラダミックスに入っていたもので、品名は不明。
火を軽めに入れたので、野菜の滋味が直に感じられてなんともおいしかった。

2012/05/01

粘土団子のその後1

4月28日に作った粘土団子を、30日に播いた。割れて収拾の付かないものは、しかたがないので割れたままばらまいた。豆が覗いてしまっているものは、鳥に見つからないように、割れた方を下にして、土に埋めた。今日見に行ってみると、すでに発芽しはじめているものもあった。

上から見た様子

南東の畝

北東の畝

割れて発芽が始まっているものもあった

全景