初心者でも種取りができるのは、固定種・在来種だからこそ。ホームセンターなどで一般的に売られている種や苗はほぼすべてがF1(一代交配種)で、これを植えて種がとれたとしても、親と同じものはできない(というか、種ができればまだマシで、「雄性不稔」という技術が使われたF1品種は種がとれないし、EUの反対のおかげでまだ実用化されていないものの、「ターミネーター種子」という自殺する遺伝子技術さえモンサント社によって開発されている)。
F1と固定種・在来種の違いやF1の作られ方については、『タネが危ない』((野口勲著/日本経済新聞出版社)に詳しい。この本でF1の作られ方を知って、F1の野菜がこわくなった。人間に許された範囲を超えたことが、タネの世界で行われていると思った。
まさに一粒万倍 |
アップ |
アブラナ科なので、水菜や小松菜ともしかしたら交雑しているかもしれない。売り物ではないので、そんな未知の野菜ができるのもおもしろい。
提携による新サービスとのことで、運営会社から大手種苗会社のカタログが送られてきた。こんなF1のタネばっかり広めて、と最初は憤ったが、中を見てみると、固定種もわずかではあるが載っていた。固定種とF1の区別はあいまいな表示で小さかったものの、業界も少しいい方向に変わってきているのかもしれないと希望をもった。
隠しているのは売る側だし、先にこういう状況を作ったのも売る側だが、買う側が不自然な野菜を求めないようになれば、種苗会社でもこんな恐ろしいことはしなくてもよくなる。自分も一消費者として、正しい情報を知り、正しい判断をしていきたいと思う。